名城大学在学中はバーチャルリアリティ(VR)研究室に所属。4年生のとき「第24回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト (IVRC 2016)」の決勝大会に進出し、協賛企業賞を受賞。大学院で学びを深め、2019年に株式会社エイチームに入社。ゲームプログラマーとしてスマートフォン向けゲームの開発に携わる。
「触覚系VR」の存在を知り、学びを深めようと大学院へ
物心がつく前からずっとゲームが好きで、中学卒業の頃には「ゲームをつくる仕事がしたい!」と思っていました。プログラムを書くことができればゲームづくりに携われるだろうと、インターネットで調べながら自分でプログラムを組むようになり、進学先もプログラミングが学べる情報工学科を選びました。
1・2年生の頃は座学が中心だったので、実を言うと授業には興味が湧きづらかったのですが、それが変わったのは、4年生で柳田先生の研究室に配属になり、触覚系VRを体験してからです。VRというとゴーグルを付けて視覚で体験する、というイメージでしたが、触覚までもが仮想体験できることに面白さを感じました。そして、国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)というコンテストに参加するなど、実際にモノづくりをするうちに「VRについてもっと踏み込んで学びたい」と、大学院へ進むことを決めました。
大学院では、布の手触りを体感できるVRの研究や、手袋をしていても素手と同様の触覚を体感できるシステムの研究などに携わっていました。後者は他大学の研究室との共同研究だったので、コミュニケーションの大切さも学ぶことができたと思います。
ユーザー様の声に向き合い、より良いゲームに
現在は、エイチームのゲームプログラマーとして、スマートフォンゲームの運用と新規機能の開発に携わっています。今、私が担当しているのは長年のファンの方も多い既存のゲーム。ゲームプランナーから「こういう機能を追加したい」と上がってきた要望に対して、スマートフォンのスペックで実現できる機能かどうかをチェックし、実際にプログラミングを行うとともに、出来上がったものが問題なく動作するかの評価も行っています。
大学院での研究テーマであった「VR」と直接的につながっているわけではありませんが、さまざまなプログラミング言語に触れることで身につけた汎用的なスキルが役立っています。また、複数の研究を並行して進めた経験が、複数のタスクを同時に進めなければならない今の仕事で活かされています。
やりがいを感じるのは、自分が実装した機能がリリースされて、ユーザー様から良いコメントや反応をいただいたときです。新機能をリリースした直後はSNSをまめにチェックして、「この機能便利!」「追加機能良かった」という書き込みを見るとうれしいですね。
逆に、ユーザー様からのマイナスの評価も大切にしています。そういったお声は、不具合につながっていることが多いため、問題点を改善してユーザー様がゲームをより楽しめるようにすることも私の役割だと思います。私だけでなく、会社全体がユーザー様と真摯に向き合い、より良いサービスを提供するというスタンスで取り組んでいます。
開発チームをリードできるプログラマーをめざして
プログラマーは勉強し続けなければ成長しません。どうすればプログラミングのスピードや効率を上げられるかということは常に意識しています。また、一つのゲームにたくさんのゲームプログラマーが携わるので、自分だけではなくほかの人が見ても分かりやすいプログラムを書くように心がけています。
また、コロナ禍に直面し、コミュニケーションの大切さも改めて実感しました。会社で仕事をしていれば、疑問点があってもすぐにほかの社員に確認ができるのですが、在宅勤務になってからはプログラマー間で認識のずれが生じやすく、結局プログラムの書き直しが発生してしまったこともありました。それからは細かいことでもチャットやテレビ会議をつないで意識的にコミュニケーションを取りながら進めるようにしています。
今は既存ゲームの開発を担当する中で、長く愛されるゲーム運用のノウハウを学んでいます。業務以外でもスキルアップを図り、次のステップとしては新規ゲームの開発に携わりたいと考えています。ゲームをプレイする誰もが満足できる操作性に優れたゲームを開発したいですし、開発チームを引っ張る存在になりたいです。
【取材日】2021年1月22日