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「あらゆるデータを解析して知見を見いだす」米澤弘毅先生に聞く。

大量情報解析 研究室 / 米澤弘毅 教授

「あらゆるデータを解析して知見を見いだす」米澤弘毅先生に聞く。

学部では「ソフトウェア工学」、大学院では「人工知能特論」を担当されている米澤弘毅先生に、ご自身の研究と学生たちの印象についてお聞きしました。

米澤研究室の4年生とともに。米澤弘毅先生(下段中央)

 

先生の自己紹介をお願いしていただけますか?

学生時代はアルゴリズムを研究していて、紙と鉛筆で研究するスタイルでした。その後、協調フィルタリング、生物学のデータ処理を経て、大量の情報を処理するためのアルゴリズム開発および情報解析による知見の発見に取り組んでいます。

普段は研究のアイディア創出も兼ねて、スポーツ観戦や映画鑑賞を趣味にしております。ただ見ているだけで突然アイディアが思いつくことも、本当にあります。

どのようなスポーツや映画が好きですか?

スポーツは主に野球を見ることが多いのですが、アメリカンフットボールやバスケットボールも昔はよく見ていました。2023年にはバンテリンドームで日本ハムファイターズとの交流戦を見に行きました(フォースボークが決勝点という貴重な試合)。

映画については、あまりジャンルを問わずに観に行くのですが、アクション映画の他には予算の範囲内で色々な工夫が見られるコメディやホラーを観ることも多いです。

2023年9月に帰省のついでに行ってきたエスコンフィールド

 

先生の専門分野とその面白さを教えてください。

大量の情報を処理する手法開発および知見開発を専門分野にしています。面白いのは解析対象が多岐にわたることで、生物やウイルスに関する超真面目なデータから、スポーツやテーブルゲームといったエンターテインメントのデータまで扱っています。

研究室に配属された学生が興味を持っている分野をそのまま研究テーマに設定したこともあり、ライトノベルや音楽のデータを見つけて解析を行ったこともあります。

研究室のゼミ風景

 

最近の研究テーマを教えてください。

最近は、アニメーションの原画である線画への自動彩色手法の開発、COVID-19ウイルスの自動判別手法の開発、実際のJリーグのデータを用いた知識発見手法の開発などに取り組んでいます。

アニメ原画への自動彩色手法については、別のキャラクターのカラー参考画像と線画を与えて、その線画を彩色したカラー画像を出力するニューラルネットワークを構築し、参考画像に近い彩色が行われていることが確認できました。

自動彩色の結果の一例
自動彩色の結果の一例

学んだことや身につけたスキルは、卒業後にどのように役立つのでしょうか?

情報工学科の学生には不足しがちな、統計の知識を必要とする場面が多く、卒業後でも役に立つことになるかと思います。

また知識そのものもそうですが、学生自身で考えて研究を進めていく経験は、講義や実験での指示通り行動することとは根本的に異なります。卒業後でも必要となる試行錯誤や計画の微妙な修正といった経験ができます。

学生指導中の米澤先生

 

名城大学情報工学部の学生たちの印象を教えてください。

私も本学に着任する前に他の大学で教育に従事してきましたが、本学部の学生はプログラミング能力が高い学生も多く、また思考能力もそこそこ高いという印象があります。

他にも、与えられた課題を何とかしてこなそうとする底力を感じることもあります。これが実は社会で最も必要な能力だったりします。一方で特にプレゼンテーションスキルについては、経験も浅く改善の余地があると考えています。

米澤研究室の4年生と一緒に