周逸竹(シュウ・イツチク)さんは、中国の北部にある黒竜江省・ハルビン市出身の留学生です。大学は、中国の南部にある杭州電子科技大学で情報管理と情報システムを専攻していました。名城大学大学院での研究や生活についてお聞きしました。
学会発表をする周さん
日本には昔から関心があったという周さん。なぜ日本に興味があったんですか?
日本のアニメを昔から見ていました。特にお気に入りだったのは『NARUTO -ナルト-』です。だから、日本の剣術に興味があって、大学時代は3年間、剣道部に入っていました。マンガやアニメはほとんど同時に中国でも見ることができるので、部の仲間ともよく話をしていました。
防具を付けるのは大変じゃなかったですか?中国では日本の剣道が盛んなんでしょうか?
あの防具がかっこいいと思ったんです。中国でも剣道は盛んです。アリババの剣道部はとても強いんですよ。
なぜ愛知県(名古屋)を選んだのでしょうか?
名古屋の医療系の大学院を修了して、起業している叔父さんが住んでいるんです。
名城大学の川澄研究室を選んだ理由は何ですか?
叔父さんの勧めもあって、名城大学を選びました。ウェブサイトを見て、川澄先生の研究室を見つけました。情報工学の中で女性が川澄先生だったということもあります(笑)。
名城大学の印象はどうですか?
学生がとてもお洒落で、部活でも活躍しているイメージがあります。
研究はどのようなことをされているんでしょうか?
「次世代モビリティの室内照明空間における生理計測を用いた感情分析」を研究テーマにしています。
なぜそのテーマを選んだんでしょうか?
川澄先生がされているさまざまな研究の中で関心を持ちました。自動運転が進展するなかで、車内環境の改善はますます重要になると思います。また、名古屋という自動車産業が盛んな地域でもあり、日本で就職したいということもあって、この研究は企業と共同研究をしているので、将来の役に立つだろうということで、川澄先生にも勧めていただきました。
研究で面白いところはどこですか?
このような研究は大学時代はしていませんし、心電や脳波といった生理データをデバイスを使って計測することも面白いと思いました。企業との共同研究や企業での実験も初めてで、とても勉強になっています。
大学院で難しいと感じている点はどこでしょうか?
日本での授業や研究室のミーティングが初めてで、慣れるのが大変でした。自分の役割、求められることの意図を掴むことが今も難しいと感じています。
川澄先生は、周さんはとても深く思考し、論理的なので研究に向いているとおっしゃってますね。修了までに身につけたいことはどのようなことでしょうか?
タイで国際会議に共著者として出席し、ポスターセッションを手伝いました。これから国際会議での発表も目標にしていて、上手くプレゼンテーションをできるようになりたいです。
学部生への研究のプレゼンテーションやプログラミング演習(Java)のティーチングアシスタント(TA)もやっていますね。
今まで2回学会でスライド発表をしましたが、人前に立つのはとても緊張しました。
長期休暇では高知に行かれたそうですね。なぜ高知に行きたかったんでしょうか?
ゲームの影響で坂本龍馬が好きだったんです(笑)。同じく坂本竜馬が好きな中国人の友達と一緒に行って、鰹のたたきを食べてとてもおいしかったです。『ゴールデンカムイ』が好きなので、北海道にも行ってみたいです。
「鰹のたたき」の他に一番好きな食べ物は「たこ焼き」だそうですね。
「たこ焼き」は研究室のパーティーで自分でつくることにも挑戦しました。
これから名城大学に留学してくる学生のために日本で生活するアドバイスはありますか?
タクシーとフルーツが高いなと思いますが、今のところ快適にすごしています。出身のハルビンはとても寒いですが、名古屋はあたたかいです。また、大学時代を過ごした杭州は蚊が年中いるので苦手でしたが、こちらは冬になると出なくなるので、そんなにいないなと思いました。新幹線や電車の移動は荷物検査や身分証明書がなくても乗れるし、コンビニはチケットが買えるサービスなど何でもあるのでとても便利ですね。
将来の夢を教えてくれますか?
将来は愛知県の企業で就職してバリバリ働きたいです。東京は向いてないと思うので……。ただ、20年後くらいには中国に帰って、育ててくれた両親に親孝行したいですね。