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タイで10日間のグローバルエンジニア研修を開催

タイで10日間のグローバルエンジニア研修を開催

2023年8月7日(月)から16日(水)の10日間、国際専門研修プログラム「グローバルエンジニア研修 in Thailand」を実施しました。情報工学科主催の海外研修は2015年度から年1回ペースで続けていますが、コロナ禍の2020年度は中止し、その後の2年間はオンライン研修でした。今回、4年ぶりに海外渡航を伴うプログラムを再開させました。幅広い学年の応募者の中から10名を選抜しました。1年生2名と2年生3名、理工学部情報工学科の4年生3名と大学院生2名、計10名です。企画・引率担当の川澄に佐川学部長が引率者として加わり、12名が早朝にセントレアに集合しました。しかし、いきなりタイ航空の機体トラブルにより出発が7時間も遅れ、到着が深夜になるアクシデントからのスタートでした。

前半6日間を過ごしたのは、本学の海外協定校であるラジャマンガラ工科大学タニヤブリ校(バンコクから北へ50km、パトゥムタニ県にある国立大学)です。近くに電車の駅がなく、観光地ではない英語の通じにくい場所で、一般の旅行では行かないエリアにあります。広大なキャンパス内のゲスト用ホテルに宿泊しながら、マスコミ工学部の講義を英語で受講し、他学部のタイ料理やタイ伝統舞踊の実習などに参加しました。また初日に、現地学生たちを前にスライドを使って英語で自己アピールする機会を設け、滞在中の授業後は仲良くなった友だちと誘い合って買い物や飲食を楽しみました。

目的や夢をもって大学で学んでいる熱い思い、英語の文法を気にせず話しかける姿勢、安全を気遣い真心をもって接してくれる優しさなどに、名城の学生たちは心から感動し、再会の約束をしながら名残惜しい別れを経験しました。キャンパス外にも出かけました。チョンブリ県・アマタシティ工業団地にある日系企業・TT FTSと豊田合成アジア、バンコク郊外のトヨタ紡織アジアでは、工場視察や現地社員とのディスカッションの機会を得ました。情報工学部や理工学部の卒業生は、将来、海外赴任になることも多いです。モビリティ産業のグローバリズム、異なる言語・習慣・宗教をもつ外国人との仕事の進め方、海外で働く面白さや難しさなどの生の実感は、今後のキャリアビジョン形成に役立ちます。他にも、タイの巨大企業シンハービールグループ運営のプロサッカーチーム(BG Pathhum United)のスタジアムを視察してスポーツビジネスの一端を知ったこと、バンコク・スラム街にある福祉施設(HDF Mercy Centre)でカンボジアやラオス出身の子どもたちと交流したことなども、心に刻まれました。

情報工学は、社会課題と結びついて役にたつ道具といえます。生まれ育った環境を離れて異なる生活習慣や新しい価値観に出会い、国際社会が直面している多様な課題に気づき、ICTの力で解決・支援していく重要性や英語力を磨く必要性を参加学生が心から感じてくれれば、この研修は成功です。

(「グローバル・ゼミナール」担当 川澄未来子)