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「要件定義から設計、開発、保守までを行う幅広いシステムエンジニアに」加賀有紗

株式会社エヌ・ティ・ティデータ東海 加賀 有紗かが ありささん
2019年3月 理工学部情報工学科 卒業
愛知県/名城大学附属高校出身

「要件定義から設計、開発、保守までを行う幅広いシステムエンジニアに」加賀有紗

名城大学在学中は、ニュージーランドへの留学や海外での活動を通して視野を広げ、研究室では色彩情報が人の感情に与える効果などを研究。2019年4月に入社した株式会社エヌ・ティ・ティデータ東海では、1年目から金融機関向けシステムの開発・保守運用を担当している。

 

情報工学の学びだけではなく、海外での経験も重ねた大学時代

「情報系をやっておけば就職しやすそう」という気軽な気持ちで情報工学科を進学先に選んだため、正直な話をすると入学当初は講義もすべて「難しい…!」と思いました。今振り返ると、「勉強していて良かった」と思えることばかりなのですが、プログラムを書く宿題が出る講義などでは毎回苦労したものです。

一方で、もともと英語や国際関係に興味があったこともあり、1年間休学をしてワーキングホリデーでニュージーランドに行きました。語学力を身につけること以上に、海外での暮らしに興味があり、その経験を通じて自分の幅を広げたかったからです。

将来を考えると語学力は強みにはなるけど、一番の武器にはなりにくい。語学は、何か別の技術や学びと組み合わせることで力を発揮するものだと思います。大学で情報工学の知識や技術を身につければ、語学力や海外での経験を組み合わせて活かすことができる。そう思ってからは日ごろの講義も前向きに取り組めるようになりました。

研究室の担当教員だった川澄先生には、研究室での学びだけでなく、さまざまな体験をする機会をいただき、とてもお世話になりました。先生の紹介で小学生の海外キャンプの引率役を任されたときは、海外のパワフルな子どもたちをまとめるのにとても苦労しましたが、子どもとの接し方や語学力の向上など、自分で成長を感じた瞬間もあり、すごく良い経験ができたと感謝しています。

 

要件定義から設計、開発、保守までを行うシステムエンジニア

現在はエヌ・ティ・ティデータ東海でシステムエンジニアとして、金融機関向けシステムの開発・保守運用を担当しています。お客さまの要望に応じてシステムを一から作るのはもちろん、これまで何十年とかけて使われてきた基幹システムの保守運用、改善も行っています。3年目を迎える今、ようやくエンジニアとしてスタート位置に立てたと実感しているところです。プログラミングの基礎は大学で身につけていましたが、金融のことは何も知らなかったので、入社して1・2年は勉強の日々でした。

ただ、新人のうちから金融機関内の機器管理システムを自分で一から手掛けることができたのは大きな財産になったと思います。まだ入社して間もないにもかかわらず、要件定義や設計という上流工程から、開発、最後の工程となる保守の部分まで関わらせてもらえることはなかなかありません。小さなシステムではありましたが、就職活動中から幅広い領域の業務に携わりたいと考えていたので貴重な経験でした。お客さまからも感謝の言葉をいただけたこともうれしかったです。

最終的には設計などを専門にやっていきたいと思っているのですが、開発や保守の部分が理解できていなければ良いシステムは作れません。あまり幅広い業務に携わるとそれぞれが浅い知識になってしまうという危惧もありますが、それよりはまず全体の流れをしっかりと理解したいと思います。

基本的な計算のプログラムが塊になって、一つのシステムが完成する。一つ一つは単純な部品だけれど、それが組み合わさることでさまざまなことができる。完成したシステムを見ていると、それがこの仕事の面白さだなと感じます。

 

情報や人をつなげる仲介役として、できることを増やす

エヌ・ティ・ティデータ東海は通信からスタートした会社です。通信は情報をベースにさまざまなことを結びつけ、仲介する役割を持っています。事業がそういう性質だからなのか、会社の部署を見渡してみるとお客さまに合わせてやり方を変え、仲介役として人に合わせるのが上手な人が多い印象があります。私自身、昔からそういうタイプなので今の会社にすっと馴染めたのかもしれません。

今は金融機関向けのシステムを開発していますが、法人系や車の部品、国や県などの行政、病院などの医療機関、教育機関など、さまざまな業界のシステム開発に携わって自分ができることを少しずつ増やしていきたいと思います。

また、開発とは別に人事などの仕事にも興味があります。仕事をする中で何かと仲介役になることが多いため、人と人をつなげる仕事もやってみたいと考えています。

また、コロナ禍で、コミュニケーションを直接取る機会が減っている今、ますます人と人をつなげる重要性を感じています。社内レベルでも共通認識を持つのが難しいと思うことがあるので、とにかく話す、コミュニケーションを意識的に取りながらつながりをつくるように気をつけています。

名城大学は、学ぶ環境が充実していて、一人でじっくり集中できる場所もあれば、仲間と一緒に勉強できる環境もあります。そういう環境が揃っているのは本当にありがたいと卒業後に実感しました。受験生のみなさんは辛いときもあるかと思いますが、努力し続けた経験は自分に自身を与えてくれると思います。頑張ってください。

【取材日】2021年2月13日